サイトカインストームの治療方法

ここでは、「サイトカインストームの治療方法」 に関する記事を紹介しています。
上記の広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。
新しい記事を書く事で広告が消せます。


インフルエンザ脳症への対応に見るサイトカインストームの治療方法の可能性


インフルエンザ脳症は我が国の小児急性脳症発生において、

発生率トップを占める疾患である。

年間250人程度が罹患すると考えられている。


この発症率は諸外国では見られない非常に高いものであることから、

日本人民族での何らかの遺伝的因子の存在が疑われている。



全ての季節性インフルエンザで発症しうるが、

発症しやすいのは香港型インフルエンザ、

つまりH3N2型のA型インフルエンザによる場合が多い。



このインフルエンザ脳症はサイトカインストーム、

つまり免疫が過剰に反応することでサイトカインが多量に産生され、

それによって免疫細胞が暴走して自らの組織を

痛めつけることにより発生すると考えられている。


正確な発症のメカニズムはわからないが、

末梢血液細胞などでのサイトカイン産生も上がっていて、

NFkBの経路、いわゆる炎症性サイトカインの活性化が問題であると考えられる。



かつては致死率30%という恐ろしい疾患であったインフルエンザ脳症、

現在では致死率10%にまで下げることができている。


これは病態の解明が進み,厚生労働省研究班の

「インフルエンザ脳症 ガイドライン(GL)」

(主任研究者=岡山大学大学院小児医科学・森島恒雄教授)

で治療法が提案されたことによるものが大きいと言える。


いわば、サイトカインストームの治療法のお手本はここにある。



では、具体的にどのような方法がとられるのだろうか?

インフルエンザ脳症は年齢は5歳以下の乳幼児,特に1~3歳に多い脳症である。

すこし詳しく見てみよう



まず、診断と症状の経過である。


言動がおかしい、寝ぼけてるような行動を取るなどの

熱せん妄様の異常言動が約3割に認められる。、

70~80%の子供で痙攣が認められる。熱性けいれんとの区別は初回では難しい。

急速に進行する意識障害に加え、全身状態の悪化も非常に速い。


発症から神経症状発現まで数時間以内であり、待ったなしである。

神経症状発現で診断がついたのと同時に死亡するなど進行はきわめて早い」


死に至る主たる理由は急性期の場合脳浮腫や壊死性脳炎による脳ヘルニア、

少し遅れてやってくる多臓器不全と全身性播種性血管内凝固DICである。



新型インフルエンザで死因として恐れられているのは後者の方で、

小児のインフルエンザ脳症よりは対応までの時間の余裕があると考えられる。

しかし、前者の段階が能ではなくて全身で進む所を抑え込むことができれば

より安全に回復できると考えられる。



次に、現時点での治療方法を見てみよう。

ガイドラインで推奨されている特異的治療は

抗ウイルス薬(オセルタミビル)の服用によるインフルエンザ複製の抑制、

ステロイド(メチルプレドニゾロン)点滴によるパルス療法、

γグロブリン大量療法である。


インフルエンザウイルスの活動を抑制すると同時に、

免疫機能を抑制する治療方法である。

これによりサイトカインストームを原因と結果の両面から抑え込む。


この中で特に有効と考えられるのはステロイドのパルス療法である。


メチルプレドニゾロンは速やかに中枢神経系内への移行する。

中枢神経系内の高サイトカイン状態を抑えてくれる可能性が高い。

全身の高サイトカイン血症の抑制にも有効である。


メカニズムの詳細はわからないが、脳浮腫そのものを軽減する効果もある。



と言うことから、急性期のサイトカインストームの治療には

新型インフルエンザのそれの場合も

抗インフルエンザ薬による末梢の炎症の抑制によるサイトカイン産生の抑制、

ステロイドパルス療法による免疫暴走の抑制

この二つが重要な治療の柱となってくるだろう。



タミフルはともかく、これらの治療の問題点は、しかしながら、

コストが高いことと、治療できる病院が限られていることにある。


ステロイドパルス療法は全身倦怠感や切れた後の初症状などの副作用もあるし、

経験のある病院で経験のある医師が行うべきものである。

γグロブリン療法もしかりで、どこででも行えるものではない。


また、γグロブリン製剤には供給量に限りがある。



初期急性期を過ぎて、肝不全や腎不全などの多臓器不全、

あるいは全身性血管性播種性凝固の状態に陥った場合には

脳低体温療法、血漿交換療法、アンチトロンビン(AT)-III大量投与療法などが試みられる。


こちらも、どこででも行えるものではないのは同じことだ。




ということから、

サイトカインストームには治療方法が見つかっていて、

実際に効果も上がっているものの、場所も供給量も限られている。



パンデミックの際には全員が受けられる治療ではないことは

個人個人が覚悟していなくてはならない。




やはり感染しない、発病しないことがもっとも望ましい。


無意味に海外に行くことはほんと、やめてほしい。






関連タグ : サイトカインストーム, 治療法, ステロイドパルス療法, DIC, 炎症性サイトカイン, パンデミック, タミフル,

コメント
この記事へのコメント
韓国にも感染疑いの人が1名出たところでGWに突入してしまいましたね。
ほんと、ただの観光での海外旅行はできれば控えて欲しいですね。(米西海岸とかオーストラリアとか多そうで怖い・・・)

まあ、今年は食料とマスクの備蓄に励みつつ、近場でおとなしくしています・・・
2009/04/29(水) 11:31 | URL | R #-[ 編集]
Rさん

コメントありがとうございます。
ニュース見てたら

「昨日からタミフル飲んでます。」
「心の底から楽しめない、不安です。」

とか言いながらみなさんどんどん海外旅行にお出かけのようです。

そこまでして行く価値があるのかなと疑問がわいてしまいます。
確かに何事もなく帰ってこれる方の方が多いのだろうとは思いますが、

アメリカ産の牛肉によるBSE感染が怖いとあれだけ大騒ぎしておきながら、
新型インフルエンザの危険性が発表された海外へ向けて突入する。

人間ってわがままです。

私ももしも予定があれば、北米大陸以外であればタミフル飲んでリレンザ持って、行ったかも知れません(笑)。

連休は今日以外は全部仕事です。。。

> 韓国にも感染疑いの人が1名出たところでGWに突入してしまいましたね。
> ほんと、ただの観光での海外旅行はできれば控えて欲しいですね。(米西海岸とかオーストラリアとか多そうで怖い・・・)
>
> まあ、今年は食料とマスクの備蓄に励みつつ、近場でおとなしくしています・・・
2009/04/29(水) 15:33 | URL | 管理人 #-[ 編集]
このコメントは管理人のみ閲覧できます
2009/06/16(火) 20:28 | | #[ 編集]
コメントを投稿する
URL:
Comment:
Pass:
秘密: 管理者にだけ表示を許可する
 
トラックバック
この記事のトラックバックURL
http://h5n1flu.blog56.fc2.com/tb.php/56-013936d3
この記事にトラックバックする(FC2ブログユーザー)
この記事へのトラックバック
上記広告は1ヶ月以上更新のないブログに表示されています。新しい記事を書くことで広告を消せます。