鳥インフルエンザウイルスH5N1感染の臨床症状の一つ;血球貪食症候群

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鳥インフルエンザが人に感染した場合、どうしてあんなに致死率が高いのでしょうか?

人類が全く免疫を持っていないということだけではなくて、人に感染した時の特殊な症状も高い致死率に結びつく原因だと言われています。

香港の症例に関しての記録を見てみると、その特殊な病態が見えてきます。


まず、感染の場所ですが、通常のヒト型インフルエンザでは呼吸器系の粘膜がメインですが、H5N1インフルエンザの場合は確かに咽頭部分にも大量に存在するのですが、直腸や血液からもたくさんのウイルスが分離されているのです。

鳥から鳥へのインフルエンザの感染形式は糞便による経口感染であることはここでも説明しました。

本来トリではインフルエンザというのは主に消化器系の粘膜に感染するウイルスなのです。


ところがヒトに感染する場合、呼吸器系で感染するという進化形式を彼らは選択しました。

これは、鳥と異なり、糞便をする水をそのまま飲むような生活形態をとっていないヒトや豚などで蔓延するには飛沫感染の方が都合がいいことから納得できると思います。

しかしこのH5N1の困ったところは、ヒトに感染しても直腸粘膜や、さらには血液中にも大量にウイルスが存在する全身性の疾患になっていることです。



気道粘膜がやられることで肺炎にはなりますが、それだけではなくて全身の臓器がやられてしまう多臓器不全に、ほとんどの感染、発病者が陥っています。

この原因としてもっとも考えられるのはやはりサイトカインストームです。

あまりにも強烈なウイルス感染に対して全身で免疫系が暴走を起こしてしまい、自分で自分の体を攻撃してしまうというものです。


この中に恐ろしい病態が一つあります。

香港での感染例6例のうち、5例では多臓器不全を起こしているのですが、2例ではヒスチオサイトーシス、血球貪食症候群と呼ばれる病態を呈しています。

血球貪食症候群とは一体どういう病気でしょうか?


サイトカインストームが免疫の暴走であることはここでも簡単に述べています。

血球貪食症候群とはまさしく免疫系の暴走なのですが、ちょっと特殊な暴走です。

免疫系は一時免疫、あるいは自然免疫系と呼ばれる、細菌や危険な細胞を殺したり食べてしまう免疫系があるのですが、その主役の細胞であるマクロファージや好中球が自分自身の体を食べてしまうという病態です。

主に最初に食べるのが血小板やリンパ球であるから始末が悪い、血小板は血液を凝固させるために必須の細胞ですから、これがなくなると簡単に体のあちこちで出血して死んでしまいます。


実はこの病態がどうして発生するのかは正確にはわかっていません。

原因不明のこともあれば、悪性腫瘍の患者さんで起こることもあります。比較的小児に多い疾患です。

ですが、EBウイルスやサイトメガロウイルスの感染で、一部の人でこの血球貪食症候群が引き起こされること、そしてこのタイプがもっとも激烈で、簡単に人の命を奪ってしまうことが知られています。


EBウイルスやサイトメガロウイルスは多くの人が抗体を持っているようなありふれた感染症です。

それだけにウイルスの特殊性ではなくて、その人のたまたま持っている免疫系が反応してしまうのではないかとも言われています。

現段階では分かっていない、はずです、私は知りません。。。


鳥インフルエンザウイルス感染は、どうやらこれを高い確率で引き起こす可能性が高いのです。

血球貪食症候群がどうして引き起こされるのかについてはまだ研究が足りませんが、鳥インフルエンザウイルスを感染させる動物実験でひょっとしたら何かわかるかもしれません。

メカニズムがわかれば、治療方法も見えてくるかも知れません。

EBウイルス感染などで引き起こされる血球貪食症候群の治療法のめどがこのH5N1研究で見えてくるかもしれないとすると、ある意味、神様が与えてくれた試練であると同時に、チャンスでもあるかもしれません。


関連タグ : 血球貪食症候群, サイトカインストーム, EBウイルス, H5N1ウイルス感染症, 臨床症状, 多臓器不全, ヒスチオサイトーシス,

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