リレンザ耐性ウイルスは出現しないのか?

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現在流行中のH1N1型インフルエンザウイルス、いわゆるAソ連型はもはやそのほとんどがタミフル耐性に変わってしまっているようです。

鳥インフルエンザパンデミックの切り札のつもりでタミフルを大量に備蓄していた政府も自治体も少なからぬショックを受けています。

患者の立場としてはしかし、まだ救いがあります。

タミフルはダメになっても、リレンザという薬がまだ残っているからです。



リレンザは粉薬を簡単な器具でもって肺に吸い込むという方法で服用します。

このために乳幼児や、認知障害のある方には内服が難しい薬ですが、今のところは非常に効果的な抗インフルエンザ薬です。


現在日本で流行中のインフルエンザウイルスの50%以上を占めるAソ連型ウイルスのほとんどはタミフル耐性ですが、リレンザはよく効くようです。

したがって市中病院でインフルエンザを判定して薬を処方するときにもこちらの方が多くなっています。

あれだけタミフルタミフルと騒いでいたのに、今ではリレンザが花形になりつつあります。


では、リレンザの耐性ウイルスは果たして出現しないのでしょうか?


これは、出現の可能性はありますが、(というか出現している報告が少しですがあります。)タミフル耐性が広がったスピードで拡がるかどうかはまだわかりません。

というのも、ウイルス増殖に必須のメカニズムというのが完全には把握されていないからです。


実は、タミフル耐性ウイルスやリレンザ耐性ウイルスは仮に出現しても、それほど感染力を持たずに脅威とはならないのではないだろうかと予測されていました。

なぜなら、タミフルやリレンザが作用するのは宿主細胞中で複製を終えたウイルスが細胞壁を破って外に飛び出すときに必須のメカニズムを阻害する薬剤であったからです。

つまり、タミフルやリレンザによる阻害を免れるような変異は、ウイルスが細胞の外に出る能力を失う変異であると考えられていたのです。


ですが、実際は違いました。

ノイラミニダーゼ分子のピンポイントの変異(しかも何通りもの)により、ウイルスは細胞外に出る能力を持ったままでタミフルによる阻害を免れるすべを身につけてしまったのです。

これは、ウイルス研究者には残念ながら予測できませんでした。

どうやってタミフルを回避しながら外に出れるのかも、実際に発生した変異を後追いで研究することでしか、そのメカニズムは解明できないのです。

まあ、人知を超える現象を解明するのが面白くて研究者をやっているのですが、それはさておきますか(笑)。


ということで、タミフルとは違う部位を認識して作用するとはいうものの、リレンザも同じようにウイルスが外に出てくる過程をブロックする薬剤です。

今度はリレンザによる阻害を回避するウイルスが出来上がってばんばん増えていくという可能性も否定できないのです。


どうすればいいかというと、人類は新しい抗インフルエンザ薬をどんどん開発中です。

根気のいるいたちごっこになりますが、なんとかして効果的な抗インフルエンザ薬を作り続けるしかありません。


有望な薬はいくつか報告されています。

インフルエンザウイルスポリメラーゼを阻害する薬剤であるT-705(富山化学)

ザナミビル(リレンザ)の誘導隊で効果や持続性を高めたCS-8958(第一三共)

リレンザやタミフルとは違う機構でノイラミニダーゼ阻害活性を持つペラミビル(日本では塩野義がライセンス)


これらの薬が市場に出回るのが早いか、パンデミックが早いか、この辺も激しい競争と言えますね。

リレンザ耐性ウイルスが増えたと報告された時には、これらの会社の株価も一気に上がりそうです(笑)。



補足ですが、タミフル耐性株がどうして出現したのか、結核菌と抗生物質がそうであるように、薬の使い過ぎや、知識のない患者の不完全な使い方が問題ではないかと批判されたりしますが、どうもタミフル耐性に関しては薬を使ったことと関係なく出現してきたというのが実際のようです。

まったくの自然な突然変異ということで、それが主流を占めてはびこっちゃうというのだからまた厄介な話です。

おそらく機能獲得型の変異であって、ウイルスの複製にとって有利な変異であったというのがやたらに耐性ウイルスが増えてしまった理由ではあると思われますが。

関連タグ : リレンザ, リレンザ耐性ウイルス, Aソ連型, T-705, CS8958, ペラミビル,

コメント
この記事へのコメント
新型(豚)インフルエンザに対するタミフル使用に関する記事の中でこの記事を引用させて戴きました。

http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/62293573.htm

他の記事も私の着眼点に結構近いので面白く読ませて戴きました。
今後とも宜しくお願い致します。
2009/09/22(火) 01:08 | URL | bloom #UgGbR6cM[ 編集]
bloomさま

コメントと引用のご紹介どうもありがとうございました。
H5N1のまとめブログ作っておこうかと思ったらH1N1が出てきてなんだか脱線しているブログですが、できるだけ一般の人が抱えている問題や疑問を解決するブログにしていこうと考えて書いています。
看過できない記述の問題などありましたら遠慮なくご指摘いただければありがたいです。
よろしくお願いいたします。

> 新型(豚)インフルエンザに対するタミフル使用に関する記事の中でこの記事を引用させて戴きました。
>
> http://blogs.yahoo.co.jp/bloom_komichi/62293573.htm
>
> 他の記事も私の着眼点に結構近いので面白く読ませて戴きました。
> 今後とも宜しくお願い致します。
2009/09/22(火) 16:59 | URL | H5N1 #-[ 編集]
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