新型インフルエンザ(鳥インフルエンザH5N1や豚インフルエンザH1N1などの人間感染型)に関する知識とそれへの対策についてまとめてみました。新しい情報は随時追加します。



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新型インフル患者を診た診療所は保健所から休診させられる。。。


昼休みにこのニュースを見たときに目を疑った。

これはちょっとひどい、とても真実とは信じたくないのだけれども。

医療知識のない一般人ではない、公衆衛生の専門家の保健所なのだ。


保健所がこんな対応を取っていれば、

そのうち日本中の診療所が休診するしかなくなるよ。


大阪府八尾保健所 女児診察の医師に休業求める

5月20日1時31分配信 産経新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090520-00000518-san-soci

 大阪府八尾市で最初に新型インフルエンザの感染が確認された女児を診察した医師が、感染を拡大する可能性があるとして、府八尾保健所から休業を求められていたことが19日、分かった。同日、大阪市内で開かれた府医師会の会議でも、出席者から「医師に休業を求めるのは過剰反応では」などとの疑問の声が上がった。

 医師は16日、八尾市内の医療機関で小学6年生の女児(11)を診察。17日夜になって保健所から連絡があり、「休むか休まないかは先生の判断ですが、新型インフルエンザが蔓延(まんえん)したら知りませんよ」などといわれたという。このため、医師は八尾市内の医療機関を一時休診にした。

 府八尾保健所は、医師が濃厚接触者に該当するため、「不要不急の外出を控えてほしいということや診察の自粛もあり得ることを説明した」としているが、「保健所からの連絡が影響を与えたと取られても仕方がない」と話している。

 医師は、「女児を診察した後は、念のためにタミフルを服用する予防措置を取っていた」としている。



あんまり腹が立ったので掲載。


医療関係者だって感染を恐れながらも立ち向かっているのだ。

パンデミックでも、ライフラインキーパーと医療関係者には

社会のために働き続けてもらわなければならない。


そのバックアップをするべき保健所がこんなことを言うのは、

前線に送りだした兵士に弾が当たって怪我した可能性があったと見るや、

後ろから狙撃して処分してしまうようなもの。

・・・それも兵の補充がないのを知っていながらね。



保健所にこんな対応を取られてしまうのであれば、

一般病院や診療所は自衛のために、発熱患者の外来を断るしかない。

断ったら「診療拒否」でたたかれるのだろうけれども。


で、がんばって診療して、インフル患者が運悪く来院したら、

感染してようとしていまいともう悪者扱い。

それっきり、なんと、地域の保健所から休診させられる


いつから保健所は、医療崩壊のバックアップするのが仕事になったのですかね?



元のニュース記事にご意見のトラックバックありましたのでご紹介。

新型インフルエンザ患者を診察した医師に休業求める? やはり診ないが勝ち?
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関連タグ : 八尾保健所, 新型インフル, 診療所, 休診, 公衆衛生, 専門家, ひどい仕打ち, 医療崩壊,

日本の水際作戦がなぜ成功しなかったのか?

対応が連休後半からでは遅すぎたということもあるだろう、

だが、それ以外に大きな要因があった。


季節性インフルエンザでも、症状が軽い人は発熱もしないし、

ほとんど無症状の人もいるといわれている。

ところが新型インフルエンザでは1/3の人は発熱しないというのだ。


メキシコでの調査を終えたアメリカの感染症のエキスパートの報告

(ニューヨークタイムスの5月13日の記事から)

Many Swine Flu Cases Have No Fever
http://www.nytimes.com/2009/05/13/health/13fever.html?ref=research

By LAWRENCE K. ALTMAN
Published: May 12, 2009

メキシコでの病状視察から戻ったアメリカの感染症のエキスパートの報告によると、奇妙なことに、新型インフルエンザに関連した人の中には病状が明瞭であるにもかかわらず発熱が認められない患者が少なからず存在するという。

高熱はインフルエンザの典型的な兆候であり、しばしば40度に達する。ほとんどの感染症のエキスパートが高熱こそインフルエンザの主要な兆候の一つであると考えており、だからこそ体温計測をスクリーニングの方法に据えている。

しかしメキシコシティの二つの病院での調査に赴いたアメリカの感染症のエキスパートであるリチャード・ウェンツェルの報告では、新型インフルエンザ患者の1/3では、発熱は初発症状ではないという。

「これには私もメキシコのスタッフも驚きました。教科書的には咳と発熱でインフルエンザのアウトブレイクの90%は検出できることになっていますから。」とはウェンツェル博士の弁。 ちなみにウェンツェル博士はリッチモンドのVirginia Commonwealth University の内科部長でもある。

重症化するケースでは入院すればみんな高熱を発するようになるが、軽症例では半数が熱は上がらないという。もちろん、ほとんどのケースで咳と倦怠感や不快感は伴うのだが。と、やはりウェンツェル博士。

さらに、メキシコの病院に入院した患者の12%はひどい下痢で苦しんで、3日間にわたって一日平均6回はトイレに行くとのことである。もちろん、咳や呼吸困難などの呼吸器症状は伴っているとのことである。ウェンツェル博士は国際感染症学会の前の会長でもある。

ウェンツェル博士はメキシコの研究者たちに患者の便を調べるように勧告したという。「もしも. A(H1N1)ウイルスがヒトからヒトへ感染して、かつ、患者の便内で検出された場合、感染防止策はさらに困難さを増すだろう。特に発展途上国において。」

博士は無症状ンホ人もウイルスのキャリアとなっていないかどうかについて検討するようにメキシコの研究者たちに促したという。



後半は省略します。

(後半で彼が強調しているのは、メキシコの医療関係者たちは呼吸器感染症のパンデミック対策は十分に準備していた、でも、感染を防ぎきれなかったのだ、と言うことでした。)


このブログの記事でも繰り返し述べてきましたが、

新型インフルエンザ感染では消化器症状が目立つということ

これは新型インフルエンザの特徴の一つです。


さらに、季節性のインフルエンザなら高熱が当然でありながら、

それは過去のことから刷り込まれた先入観でしかなくて、

発熱を指標にすると新型インフルエンザ感染者の1/3は見つからない

と言うことになりますから、

サーモセンサーなどを使ったところで、たとえ発症者であっても

水際対策で全員の侵入を阻止するのは不可能だった。


ということですね。


ストレートが来るつもりで厚生労働省は頑張りましたが、

実は新型インフルはナックルみたいな変化球なので、

打ち返すのはとても難しかったようです。


症状の軽い人が多いとなると、今後の感染爆発も避けようがないでしょう。


逆に言えば、でも、症状が重い人以外は心配しなくてよいわけですし、

躍起になって大勢を検査して隔離するよりも、

重症者のケアに重点的に予算を配分していただいた方が、

厚生労働省の株も上がるかと思います。


まあ、外野から言うのは気楽ですからね、すみません。

関係者の皆様の努力がより効率的になることを切に祈って、書かせていただきました。


関連タグ : 発熱, メキシコの病院, サーモセンサー, 消化器症状, 初発症状, 新型インフル, 無症状, 咳と不快感, 咳と倦怠感, 水際対策,

新型インフルエンザはアメリカではすでに推定10万人に感染している。

もちろん推定だけれどもCDCのメンバーの一人の見解だから

でたらめではない、一つの考え方に基づく数値と言っていいだろう。


<新型インフル>米国内「10万人超感染」…CDC見解

5月16日11時31分配信 毎日新聞

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090516-00000021-mai-int

 【ワシントン小松健一】米疾病対策センター(CDC)のジャーニガン・インフルエンザ部副部長は15日の記者会見で、米国内の感染者が公式集計よりはるかに多く、現在の実際の感染者は「全米の症状の広がりからみて、10万人以上と言ってもいいだろう」との見解を明らかにした。

 CDCが感染実態の推計を示したのは初めて。これまでも、(1)感染しても軽症のため医師の診察を受けない人も多い(2)地方によっては感染の検査をしていない--などの理由から、CDCの集計は「氷山の一角」との認識を示していた。

 ジャーニガン副部長は全米で例年、季節性インフルエンザに感染する人が、人口の7~10%にあたる2100万~3000万人に上ると指摘。新型インフルエンザについては、4月からの感染の拡大状況などから「10万人以上」と推計できるという。「米国のいくつかの地域では数千人が感染したと疑われる報告もある」とも語り、全米の実態調査を続けているという。


そうした状況は遠からず日本にも訪れると思う。

では、我々一般人、あるいは一般臨床医は何をなすべきか?

感染した際にどのように対応するかの、心づもりを持っておくことだ。


アメリカのやはりニューヨークタイムズの記事から拾ってみる。

Drugs Urged for Swine Flu in Pregnancy

Pregnant women who get swine flu are at such high risk of complications like pneumonia, dehydration and premature labor that they should be treated at once with the antiviral drug Tamiflu ― even though it is not normally recommended in pregnancy, the Centers for Disease Control and Prevention said Tuesday.

妊娠してる女性は新型インフルエンザに感染した場合に肺炎、脱水症状や早産などの合併症を引き起こしやすいことから、新型インフルエンザ感染が疑われる場合には速やかに抗インフルエンザ薬の投与を受けるべきである、通常は妊婦への投与は推奨されていないのだけれども と、CDCが発表している。


と言うのがこの記事のイントロダクション

中身を簡単に書くと、タミフルやリレンザは通常は妊婦に用いない。

それは安全かどうかの人間での確認が不十分だから。
(サリドマイド以降の新しい薬はほぼすべて確認不十分である。)


しかし、アメリカでの死亡例の一人が33歳の妊婦で

20人ほどの妊婦の感染例で数名が肺炎を起こしていることから

妊娠はインフルエンザ感染の際に重大な合併症を起こすリスクと考えるべきだ

そう考えられているということだ。


アメリカでも日本同様、妊婦さんは薬を飲みたがらない。

医者も同じ区で処方を避けようとする。

しかし、弱毒性とは言っても今回の豚インフルはその態度は危険を招く。


新型インフルエンザと疑われた時点で、

あるいは感染者との濃厚接触が確認された時点で

妊婦ほど積極的にタミフルやリレンザを使用すべきであるというのだ。


もちろん、「絶対に安全な」薬なんてあり得ない。

しかし、使うことによる副作用のリスクと

その薬を使わないで病気に立ち向かうリスクとでは

後者の方がはるかに胎児にとって危険と判断できるということだ。


新型インフルエンザの感染で重症化しやすいリスクが高いのは


1.喘息などの呼吸器疾患の方

2.糖尿病や肥満の生活習慣病の方

3.免疫不全状態の方

4.心臓循環器系の持病を持つ方

5.妊婦さん


これを心がけておこう。

それで妊婦さんにお願いなのだが、

もしもあなた自身がインフルエンザのような兆候を感じたら、

あるいは身近でそう言う人が出て不安を感じたら、

かかりつけの産婦人科にいきなり行かずに、
あるいはかかりつけの内科にもいきなり行かずに、
かならず電話で確認を取ってほしい。



状況を説明して、できれば症状のない家族にマスクをさせた上で

薬をもらいに行ってもらうように。

平日の9時から17時であればまず保健所に電話を。


産婦人科であれ、内科であれ、むやみに医療機関に駆け込むことは

あなた自身と、その病院に来ているほかの患者さんのリスクを高めるだけだ。

迅速に、だけど冷静に、行動しよう。


関連タグ : インフルエンザ感染, 妊婦, ハイリスク, 肺炎, 死亡例, アメリカ, 新型インフル,

日本でも神戸の高校でヒトからヒトへの感染疑いが出たけれども、

ニューヨークの高校では感染がいきなり拡大した模様。

通常であれば消え行くはずのインフルエンザ感染が

このような初夏に爆発するのは、やはり、新型ゆえか。


「異常に多くの生徒」に症状=インフルで教員重体、3校休校-NY

5月15日10時0分配信 時事通信

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090515-00000038-jij-int

 【ニューヨーク14日時事】米ニューヨークのブルームバーグ市長は14日、市内クイーンズ区の公立小中学校3校について、新型インフルエンザに似た症状を訴える生徒・児童らの数が「異常な高水準」に達したため、来週末まで休校にすると発表した。中学校の教頭1人が感染し重体に陥っているという。
 市当局によれば、教頭の勤務先の中学校では生徒4人の感染も確認され、今月6日以降、症状の出た生徒50人以上が登校していない。残る2校で事態が発覚したのは14日で、小学校の児童29人が保健室を訪れたほか、別の中学校でも生徒241人の欠席が報告された。 


アメリカのメディアの発表を見ると、

HIV感染で免疫不全の人とか、腎臓透析中の人とか、糖尿病の人とか、

合併症を持つ人はいささか危険な状況に陥る可能性もありそうだ。


もちろん公式な発表ではないのだけれども、

60歳以下の中年の肥満傾向のある、生活習慣病持ち、

あるいは生活習慣病予備群の人々は

過労や不摂生で普段の体力が落ちないように注意しよう。



New York Timesの記事から

Three More Schools Close in Queens

Three more public schools were closed Friday ― adding to the three in Queens shut down on Thursday ― after the swine flu re-emerged in more pockets around the city. An assistant principal remained hospitalized in critical condition with the most serious case since the virus turned up in the city more than three weeks ago.

The number of people infected by the virus nationwide could be as high as 100,000, one federal health official said Friday, far more than just the 4,714 cases currently confirmed by the Centers for Disease Control and Prevention.

Dr. Daniel Jernigan, head of epidemiology for the flu division of the C.D.C., said the agency was seeing “widespread flu activity ― something we would not normally expect at this time of year.”

The vast majority of cases have been mild, however, with only 173 hospitalizations reported in the United States. On Friday, Texas health officials confirmed that a 33-year-old man with heart problems who was morbidly obese died from swine flu, becoming the nation’s fifth fatality from the current outbreak of the disease.


詳しくは読んでください。

患者や患者家族のインタビューも載っているけれども

ピックアップするのは適当ではないと思ったので。


ケースバイケースだから。


関連タグ : ニューヨークの高校, 学校閉鎖, 新型インフル,

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