新型インフルエンザ(鳥インフルエンザH5N1や豚インフルエンザH1N1などの人間感染型)に関する知識とそれへの対策についてまとめてみました。新しい情報は随時追加します。



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H1N1タイプの新型ワクチンの感染拡大を受けて、それに向けたワクチン導入が進められている。


通常であれば一定数の試験接種を行い、副作用や抗体産生の有無を確認する作業が施行される。

2008年から2009年にかけて世界中で鳥インフルエンザH5N1に対するプレパンデミックワクチン接種が医療従事者に対して行われたのは周知のとおりである。

日本での副作用は発熱や発赤だけで後遺障害の残るような重篤な副作用の報告はなかったと記憶している。


これに対して、今回のH1N1に対する新型ワクチンはいきなり医療従事者や感染症が重症化しやすい人々へ向けて接種される予定である。

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090901-00000031-mai-soci

<新型インフル>ワクチン優先接種「ほぼ合意」厚労相

9月1日11時38分配信 毎日新聞
 新型インフルエンザワクチンを巡り、舛添要一厚生労働相は1日の閣議後の記者会見で、優先接種の対象として▽医療従事者▽妊婦▽基礎疾患(ぜんそく、糖尿病など)のある患者▽乳幼児▽生後6カ月未満の乳児の母親--を挙げ「(専門家の間で)ほぼコンセンサス(合意形成)ができつつある」と述べた。政府の専門家諮問委員会などで基礎疾患の範囲などの詳細を詰め、今月中に正式決定する。


予備接種(言い換えれば人体実験)なしにたくさんの人々に接種すると、さまざまな問題が起こるかもしれない。

一つ危惧されているのが、ギラン・バレー症候群。


末梢神経が自分の免疫系に攻撃されて脱髄していき、手足に力が入らなくなるどころか、呼吸筋の神経が侵されれば呼吸停止で死んでしまいかねないという病気である。

一過性で数週間で完全に治る場合もあるが、免疫系が攻撃する細胞次第では治りきれなくて後遺障害が残る場合もある。

また、何度も再発する人もいるようだ。


最近もこの名前、ニュースか何かで聞いたなと言う人も多いだろう。

昭和の大女優の大原麗子さんが先日亡くなったが、その晩年に患っていたのがギラン・バレー症候群だ。

手足に力が入らなくて四つん這いで部屋の中を移動していたとうかがう。



1976年に米軍内で豚インフルエンザのヒト感染爆発があった。

数百人が一気に感染して、これはスペイン風邪の再来、パンデミックにつながるかもしれない、ということで大急ぎでワクチンが作られた。

このときには製薬会社の圧力もすごかったという噂もあるが、ともかく一気に4000万人に接種された。


そしてかなりの数の接種者がギランバレー症候群に悩まされた。

入院するような重篤な例として報告されているのは約500人で、呼吸不全の処置が間に合わなかったりして亡くなったのが25人。

およそ80000人に一人の確率で副作用が発生している。


今回のH1N1インフルエンザも豚由来のウイルスであり、同様な副作用が起こることが危惧されている。

予備接種という人体実験も間に合わないのだし。


・・・だが、これ、怖がってもしょうがない。

実は、季節性インフルエンザのためのワクチン接種であっても100000人に一人以下の確率だが、ギラン・バレー症候群は発生している。

さらに言えば、季節性インフルエンザ感染そのものでも後遺障害としてギラン・バレー症候群が起こることが示唆されているのだ。


つまり、インフルエンザウイルスの構造の一部が末梢神経の構造に似ていて、感染したり、ワクチン接種されることで自己免疫病を引き起こす人が、非常に低い確率でありながら存在するということだ。

ギラン・バレー症候群自体が細菌のキャンピロバクター感染や、ウイルスのサイトメガロウイルス感染が契機となって引き起こされることは報告されており、同様にそれらの構造の一部がヒトの末梢神経の表面抗原と似ていることが原因であると言われている。

同じように、インフルエンザウイルスでもこれは引き起こされてしまう。



ギラン・バレー症候群だが、今のところ、防ぎようはない。

そもそも、サイトメガロウイルス感染も、インフルエンザウイルス感染も、ものすごい数のヒトが感染しているのに、ごく一部の人しかこの副作用を引き起こさない。

こうなってしまう可能性は二通り。


一つは、なにか合併している感染症やそれまでの免疫刺激の蓄積が感染症を契機として自己免疫を誘導していしまったこと。
(未解明の外部要因の存在)

もう一つは、その人個人の遺伝子配列、つまり生まれ持った体質により発症しやすいヒトが存在すると言う可能性である。


これらは可能性として推測されているのみで、まだわかっていないが、これがわかれば、そしてそれが薬剤で制御できるものであるならば発症を予防できる道が開けているだろう。


結局、新型インフルエンザワクチンの接種によるギラン・バレー症候群発症のリスクはどのぐらいかと言うことだが、これまでに世界中で百万人以上が感染していると思わる状態で、その感染によるギラン・バレー症候群発症の報告は未だない。

ということからすると、季節型程度の頻度でしかこの合併症は起こらないのではないだろうか(推測)。

それならば、毎年用意されている季節性インフルエンザ感染のワクチンを受けて生じる副作用としてのギラン・バレー症候群の発生頻度と同じ程度であろうと思われる。


新型インフルエンザに感染すると0.5%の人が亡くなるとされている。

亡くなった方の多くはハイリスクと呼ばれる集団に属していて、ここだけ見ると数%の致死率だ。

どう計算したところで1%は超えているだろう。


そうするとハイリスクである妊婦さん、6歳以下の乳幼児、呼吸器疾患合併患者、腎臓疾患合併患者、癌やHIV感染などで免疫力が低下した人、これらの人々は絶対に接種しておいた方がよい。

十万人に一人が発症するギラン・バレー症候群のリスクを避けるのと、100人に一人以上が死ぬインフルエンザ感染の重症化をまぬがれるのとでは、比較するまでもなく、死ぬのを避けた方が賢明である。

でも、どちらのリスクをとるのか、最後に判断するのはあなた自身だ。
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関連タグ : ギラン・バレー症候群, 新型インフルエンザワクチン, 副作用, サイトメガロ, キャンピロバクター, 自己免疫,

新型インフルエンザの最初の報告以来、

このブログでもいろいろ書かせていただきました。


独断や偏見もたくさんのこのブログに

暖かいご意見も頂き、訪問数もすごい数で
(4月最後の6日間で2月と3月の訪問者数の6倍に達した(^_^;))

書いていてよかったかなと充実感で、ありがとうございました。


連休ももうみなさん、終了に向けて移動したり、

連休明けの仕事の準備したり、日常モードに戻りつつあるのでしょう。


新型インフルエンザもそのモードに、と言うわけにはいきませんが、

弱毒性らしいということで世界中が、少しだけ落ち着きました。


SARSに懲りたアジアの某大国が「羹に懲りてなますを吹く」ことをしていたりしますが、

おおむね、とりあえずは安心している状態ですね。


ロイター通信にそれがまとめてあります。



新型インフル、いったん収束後にパンデミックの恐れも

5月5日13時14分配信 ロイター

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20090505-00000428-reu-int

 [ワシントン 4日 ロイター] 世界中で感染者が1000人を超えた新型インフルエンザ(H1N1型)は、メキシコ当局が流行の最悪期を脱した可能性を示唆し、米国などでの感染例からは、その症状が季節性インフルエンザと大差ないとの見方が広がりつつある。
 こうした情報が伝わるにつれ、一部では衛生当局が新型インフルエンザの発生に「過剰反応」したのではないかとの指摘も出始めた。しかし専門家の間には、新型インフルエンザの脅威は数カ月続き、後になって世界的大流行(パンデミック)になる恐れもあるとの声が出ている。
 米国では約2週間前にテキサス州とカリフォルニア州で子ども2人の新型インフルエンザ感染を初めて確認。その後、世界保健機関(WHO)は警戒水準「フェーズ5」に引き上げ、世界的大流行(パンデミック)のリスクが目前に差し迫っていることを示した。
 メキシコは学校の閉鎖や公共イベントの中止に踏み切り、同国の観光産業には大きな影響が出た。米国政府は備蓄していた抗ウイルス薬の25%を放出し、新型インフルエンザに対応するワクチン開発にも着手している。
 一方、メキシコのコルドバ保健相は1日、新型インフルエンザ感染が原因と疑われる死者の数について、それまでの最大176人から同101人に修正すると発表。米国でも2次感染が急速に広がっているが、季節性インフルエンザより症状は重くないとみられている。
 インフルエンザを研究する専門家らは、世界各国・機関のこれまでの連携対応は適切だったと評価する。
 テキサス大学ヒューストン保健科学センターのスコット・リリブリッジ博士は、電話インタビューで「まず第一に、(ウイルスが)毒性の強いものにならなければ多くの人が安心する」と述べた上で、ウイルスはいつでも突然変異する可能性があり、今回の新型インフルエンザの毒性や感染力を判断するのは時期尚早だとの見方を示した。
 米疾病対策センター(CDC)の生物テロ対策部門の設立にも尽力したリリブリッジ博士は「われわれは大がかりな国際的対応を始めたばかりであり、(ウイルスの)流行は数カ月間続く可能性もある」としている。
 米国政府はこうしたシナリオに対する準備を長い間積み重ねてきた。「最悪のシナリオ」として想定されることの多い1918年のスペイン風邪のケースでは、春に新型ウイルスの感染が始まって夏にいったん収まったものの、8月に入って第2波の流行が起きて世界で約4000万人が死亡した。


しかし危険性は依然としてなくなったわけではなくて、

今後も新型インフルエンザH1N1に対する警戒態勢を怠るわけにはいきません。


我々のような基礎医学研究者はもちろん、

疫学研究者も、臨床の第一線で治療に当たる医者も、

それぞれがそれぞれの分野のものの見方を持ちあって

議論の中で今後の最善策を探していくことが重要でしょう。


 <歴史は繰り返す>
 インフルエンザのパンデミックを専門とするリスク問題コンサルタント、ピーター・サンドマン氏は「CDCと国土安全保障省、厚生省が(流行の)小康状態を準備期間にあてることに疑いの余地はない。彼らはこの問題への注視を怠らず、秋のパンデミックの可能性に備えるだろう」と述べた。
 一方、公衆衛生の専門家らは、1976年に米国で発生した豚インフルエンザ感染のケースも忘れてはいない。この時は製薬会社が先を争うようにワクチンを生産し、約4000万人が予防接種を受けたが、結局インフルエンザの大流行は起きなかった。さらに悪いことに、この時にはワクチンの副作用でギラン・バレー症候群を発症する人もいた。
 米医学研究所(IOM)のハーベイ・ファインバーグ博士は「当時との大きな違いの1つは、1976年に豚インフルエンザが見つかったのはニュージャージー州フォートディクスの米軍施設1カ所だったこと。その後もニュージャージー州や米国、世界のどこでも(豚インフルエンザ感染は)確認されなかった」と語る。しかし、航空輸送網の発達した現在では、ウイルスは数週間で世界中に広がってしまう。
 リスク問題の専門家サンドマン氏は「先週の教訓はわれわれは幸運だということ。今後も幸運であり続けると考える理由は何もない」と警告している。


確かに、ふつうのインフルエンザでほとんど回復することを考えれば、

予防注射でギランバレーになっちゃうのは痛手が大きいのですが、


今回の豚インフルエンザに関しては、新型であることは間違いなく、

ワクチンができたらぜひ受けておきたいものです。

期待しております。




と、いうことで、しばらくは

更新頻度が落ちるかも知れませんが

自分で必要性を感じたら更新します。


お気に入りに入れておいていただいて、

ときどき覗きに来てくだされば嬉しいです。


ではでは。


関連タグ : インフルエンザ, 第一陣, 世界的流行, ワクチン, 副作用, ギランバレー症候群,


副作用のない薬を出してください、それ以外は飲みたくありません、とか、副作用が心配だから子供にワクチンは受けさせませんとか、副作用恐怖症と言ってもいい人が日本にはひしめいています。

でも、副作用と言うのは完全に防げるものではないのです。

手術などの時に使われる薬の一種には、それを投与するとものすごい高熱が出て、神経症状を多発して致死率の高い病気になる人が数千人に一人います。

これは薬のせいではなくて、個人の体質の問題です。

数千人に一人の副作用がない薬を開発しようとすれば、数十万人の臨床実験が必要です。数年間かけて、いろんな年齢や性別、人種の集団に対して何度も行わないといけないでしょう。


[新型インフルエンザウイルスワクチンには副作用はないのですか?]の続きを読む

関連タグ : インフルエンザワクチン, 副作用, パンデミックワクチン, 入院, 発熱, 危険性,

日本において世界に先駆けてパンデミック対策の事件が始まりました。

新型インフルエンザの爆発に備えてプレパンデミックワクチンの事前接種が始まったのです。

中国で鳥から人に感染したH5N1型ウイルスと、インドネシアで同じく鳥から人に感染したH5N1型ウイルスの二つの株を使ってワクチンを作ったものです。

 


二つのウイルス株を作ったのは、遺伝子型が微妙に違うことから、どちらがよりワクチンに適しているかを見る目的もあります。

これまで、ヒトからヒトにうつったものではないウイルス感染症に対するワクチンをこれだけ大量に作製して接種したという事例はありません。

その意味ではある種、大規模な人体実験であるとも言えます。



[プレパンデミックワクチンの人体実験の結果は?]の続きを読む

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